気楽にコーヒーの香りを楽しんでほしい。カップテイスターズ日本チャンピオン・森明美穂さんにインタビュー

気楽にコーヒーの香りを楽しんでほしい。カップテイスターズ日本チャンピオン・森明美穂さんにインタビュー

出典:Specialty Coffee Association

コーヒーには100以上もの香りがあることを知っていましたか?これは “フレーバーホイール” と呼ばれていて、コーヒーの風味をマップ化したもの。

フルーティーと一口に言っても、ベリーやピーチ、レーズンなど、18もの香りに細分化されます。産地や農園ごとにそれらは全く異なっていて、その違いを楽しめるのがスペシャルティコーヒーの醍醐味とも言えます。

でも、コーヒー豆のパッケージに書かれている通りに香りを感じることは意外と難しい。

そこで今回は、ジャパンカップテイスターズチャンピオンシップ2023で優勝を果たした森明美穂さんに、香りから見るコーヒーの楽しみ方について伺ってみました。

後半ではカップテイスターズの魅力や、香りを繊細に感じるための練習方法、今後の夢についても伺っていきます。

香りから見るコーヒーの楽しみ方

── フレーバーを楽しむにはどうしたら良いのでしょうか?

森明さん:「コーヒー片手にフレーバーホイールを眺めて、自分が感じた香りを探してみる」というのはどうでしょうか?

フレーバーホイールは常に更新されていて、今後も新しい香りが追加されるはずです。現在のものは、2016年にSCAAという機関が出したもの。すごく良いのが、香りの特徴を色によって直感的に理解できる点です。

ベリーだったら赤、レモンだったら黄色、野菜だったら緑。一般の方でも識別しやすいので、眺めるだけでも楽しいと思います。

── だから見やすいのですね。

森明さん:香りって本当に面白くて。レモンの香りに苦味が加わったらグレープフルーツを、レモンに野菜感が加わるとライムを感じやすくなるんです。

自分はこの酸味だったらレモンのように感じるな、というように、気楽にコーヒーを楽しんでもらえればと思います。

パッケージに書かれている香りの表現は、あくまでプロの方が表現しているだけなので。

自分のセンサリー (知覚) 能力を確かめたかった

── そもそもカップテイスターズの大会では、どのようにセンサリー能力を競うのですか?

森明さん:コーヒーが入った3つのカップを用意して、その中から1つだけ違うコーヒーを選びます。それを8セット用意するので、最高スコアが「8」。カップを選ぶまでの早さもスコアに反映されます。

── 楽しそう!大会に出ようと思ったのはなぜですか?

森明さん:焙煎やハンドドリップの大会で審査員をさせて頂いたのですが、今後もしていきたいと思っていて、自分のセンサリー能力向上の為に出場しました。

──  チャンピオンになるためにどのような練習を?

森明さん:レベル別でトレーニングしています。まずは簡単な問題から。コロンビアとエチオピアなど、フレーバーが全く異なるものからスタートして、次に中南米やアフリカの中から似ている味をテイストします。

昨年 Leaves Coffee さんで開催された、カップテイスターズ世界チャンピオン・Young (ヤン) さんによるセミナーに参加した際にも、レベル別の問題の作り方を教えて頂いたんです。

ただ最後の問題は本当に難しかったです。グラインダーのメッシュ違いと言われたときは、思わず笑っちゃいました(笑)。

── さすがですね...(笑)。

STTOKEの高い保温性はカッピングに欠かせない

── ヤンさんのセミナーと言えば、カッピング用のカップとしてSTTOKEを使用したかと思います。使ってみてどうでしたか?

森明さん:保温性がすごいなという印象でした。

普段の練習ではプラスチックカップを使うのですが、温度が下がりやすくて。冷めるとフレーバーが変わるというマイナスの側面があるんです。

ほとんどの豆は温かい方がフレーバーを感じやすいので、保温性はとても魅力的でした。私が感じるのが苦手なナッツ系のフレーバーは、温かい方が感じやすいので尚のこと嬉しいですね。

── 逆に、冷たい方がフレーバーを感じやすい豆はあるのですか?

森明さん:エチオピアやケニアなど、ベリー系が顕著に感じられる豆は敢えて冷ましたりもしますが、保温性は優れているに越したことはないです。

みんなの居場所になれるようなカフェを持ちたい

── では最後に、森明さんのゴールを伺いたいです。

森明さん:カフェを開くことです。普通のカフェではなくて、家庭などで居場所がない人にとって居心地の良い、アットホームなカフェを作りたいと思っています。

幼少の頃、私自身がそうだったので。

コミュニケーションの中にはコーヒーがあって、しかもそのコーヒーは、美味しいのはもちろん、農家の方の生活を支える側面のあるスペシャルティコーヒー。
その循環がとても素敵だと思います。

── 本当に素敵ですね。カフェオープンの日を楽しみにしています!本日は貴重なお話をありがとうございました。

森明さん:こちらこそありがとうございました!

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次回はカップテイスターズ世界チャンピオン・Young Beak氏へのインタビューの様子をお届けします。お楽しみに。

 

▼『STTOKE』をチェックする

https://sttoke.jp/pages/lineup

 森明美穂さんのインスタグラム

https://www.instagram.com/fika_miho.moriaki

  森明さんが焙煎を担う神戸スペシャルティコーヒー&自家焙煎所「LANDMADE」の公式サイト

https://www.landmade-kobe.com/

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